ガイドブックに載っている"表(おもて)"だけじゃ物足りない方へ。satokoizmの"裏"パリガイド。


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彼女の光る引き出し

小さな頃から人の引き出しのなかを見るのが好きだった。
どんなものが入っているんだろう、
大切にしまっておきたいものはなんだろう、
引き出しの中に隠された世界を覗くのが好きだった。(satokoizm)

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ヘア&アクセサリーデザイナー、原口朝美さんのアトリエにあったこの棚。
大事なものは内に秘めておく人なんだな、というのが第一印象でした。
引き出し好きの私としては一刻も早く覗きたかったのですが、
まずは彼女自身の引き出しから、とインタビューさせていただきました。

"もういちど命を与える作業"
日本ではヘアセットとヨーロッパから輸入されたヘアアクセサリー、
アクセサリーの販売をしていた朝美さんが
本格的にアクセサリー制作を始めたのはパリに来てから。
パリで挙式する花嫁さんのためのブライダルヘアを依頼され、
そのためにへアドレスを作ったのがきっかけだったそうです。
趣味の蚤の市、ブロカント巡りで集めたアンティークのレースや
パーツなどをちりばめて作るアクセサリーは"Câline (カリンヌ)"と
ブライダルラインの"Câline Blanc (カリンヌ ブラン)"の2つ。

「とっておくだけじゃ勿体ない、もっと一緒に過ごしてほしいんです」
古いものを骨董として扱うのではなくアクセサリーとして蘇らせる、
大事なものだからずっと持っていられる形に換える、
そんな考えがベースにあるからこそ彼女の作品は現在を生きています。
今まで誰かに愛されてきたアンティークのレースも彼女の手に掛かり、
これからもずっと、もっと愛されるニューアンティークになるのです。
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"小さく、強く、美しく"
古いもの特有の力を感じたことがありますか?
押し入れから出てきた祖母や母の着物、
美術館に飾られている小さなカメオ、
偶然見つけた昔のアルバム、
そんなものに触れるとなにか強い力を感じます。
オーラなんて安っぽい言葉では言い表せない時間の力。

柔らかな素材、優しい色、小さなガラス玉…。
朝美さんの作品はとても繊細で女性的なのに
アンティークパーツを使っているからか、強い力を持っています。
小さくて強い、それはまるで彼女自身。
小柄で控えめ、だけど強い意志を持っている朝美さん。
大事なものを知っているから、自分を誇張する必要もないのでしょう。
やりたいことに素直に、できることを一生懸命、
小さな身体から大きく強い力が溢れていました。
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"Câline(カリンヌ)な関係"
Câlineという名前はCâlinerというフランス語からつけており、
「~をかわいがる、あやす」という意味があります。
長い歴史を持つヨーロッパ独特の雰囲気を愛してほしいという
気持ちを込めています。(Câlineホームページより)

朝美さんが自身の作品やまだ材料の段階であるレースに触れるとき、
このCâlinerという言葉が本当に似合います。
でも私がこのフランス語を聞いて最初に思いつくのは
「抱かれる、ぎゅっとされる」という意味のCâlin(e)。
長い間愛されてきたアンティークを今度は自分が身につける、
そう、Câlineされるのはきっと持ち主も同じではないでしょうか。
アクセサリーとその持ち主がお互いに想い合う関係。
Câlineのアクセサリーはモノという枠を超えて私たちに語りかけてきます。
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"彼女の光る引き出し"
「あの...引き出し、開けてもいいですか?」
最初からずっと気になっていた、たくさんの引き出し。
インタビューが終わり撮影に入って数分後、やっとこの一言が言えました。
大切そうに並んでいたのは、彼女の作品たち。
キラキラ光る、彼女の引き出し。
「こんなに素敵なものを隠していたのね!」
一度のインタビューで彼女を全部知ろうとした自分のことが
なんだか急に恥ずかしくなりました。
彼女の光る引き出しは、まだまだいろんなものを隠しているはずです。
ここからもっとたくさんの作品が生まれていくはずです。
でも、これからはCâlineのアクセサリーを通して
彼女とCâlineの引き出しを覗いていくことにします。

ホームページ Câline
朝美さんのブログ "Câline-PARIS日記-"



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# by satokoizm | 2012-09-11 12:00 | Reportage 取材

パリで愛するための時間

突然ですが、あなたにとっての5分間って長い?短い?
瞬きしちゃダメ、動いちゃダメ、しゃべっちゃダメ、なんて言われたら、
5分間も永遠のように長く感じるでしょうね。
(特に3番目、寝言の多い私には睡眠中でも不可能です…汗)
それでも日常の中の5分間は本当に"あっという間"。
今回ご紹介する映画『Paris je t'aime(パリ ジュテーム)』の監督たちは、
そんな短い時間でパリを語ります。
20区にわかれるパリの街で18通りの愛を語っています。
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区にキャラクターがあるように、物語にも個性あり。
家族の愛、始まる愛、恋から続く愛、失った愛…。
この映画を見ているとパリには愛が溢れているようですが、
あながちウソじゃありません。
憧れや幻想を抜きにしても、質や期間は保証されなくても(?!)
パリはそこらじゅう愛だらけ♡

「信号待ちの数秒で、仰け反るようにキスしてたカップルがいたよ」
日本からきた友人が目を丸くして言っていました。

「satoko, je t'aime pour toujours (一生大好きだよ、サトコ)」
子供たちはまるで"おいしい"と言うように簡単にこんな台詞を口にします。

「男なんて信じる方がバカなのよ、特にフランス男はねっ!」
そう言うフランス女は、今日も恋を探しています。


このオムニバス映画はそれぞれ5分間にまとめた愛の形ですが、
パリでは5分で新しい愛が生まれるなんて日常茶飯事。
逆に5年いても"正しい"愛を見つけられない場合もあります。
(悲しいかなsatokoizmの実証済み…間違いだらけです)
ただ、誰かを愛するのに必要な時間なんて、
私たちが思っているよりずっと短いものかもしれません。

「恋っていいね、愛ってすてき」
そんな女性ホルモン刺激剤になること間違いなしの作品です。
(こちらももちろん実証済み♡)

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# by satokoizm | 2012-09-07 12:00 | S-culuture サブカル

気まぐれな値段たち

今回のお客さまは、日本からいらっしゃったバイヤーさん。
ヨーロッパ最大といわれるリールの蚤の市に合わせての強行ツアー5日間。
パリでも仕入れメインという仕事熱心なお客さまでしたので、
ガイドというよりは通訳コーディネーターとしてパリを案内しました。
ご用意させて頂いたのは、3タイプの仕入れコース。

蚤の市よりも数倍安く仕入れられる"穴場"、
モントルイユ、クリニャンクールの大型蚤の市、
(注:クロージングが主だったのでヴァンヴを外しました)
そして、ヴィンテージショップのオーナーからの直接買い付け、
質も値段も様々で、バイヤーの目利き力が発揮されるところです。

「服を見てると元気になるんですよね」
もうすっかり秋空のパリで風邪を引いてしまったお客さま。
体調不良にも関わらず、蚤の市を歩き尽くしました。
パイヤーという仕事は彼女にとって"天職"なのでしょう、
真剣なまなざしで商品を選ぶ姿をみていると、私も気合いが入ります。

買い付けで何よりも大切なのは、やはり値段交渉。
どれだけ安く仕入れられるかが勝負です。
とは言ってもただ値切ればいい、というわけではありません。
特に品揃えに誇りを持っている店主に向かって
「もっと安く!半額にして!」なんて簡単に言うと、
彼らの逆鱗に触れることにもなりかねません。
お客様々精神のない店主に「帰れ」と言われる可能性も大アリ。
でもよく考えてみてください。
付いている値段は店主の付けた価値の値段。
それをいきなり値切るなんて、少し横暴すぎますよね?
しかも挨拶もなしに片言で「まけろ!」では余計に悪印象。

「これがもう底値ですか?」
「価値があるのはわかるけど、手元の残額が…」

商品の価値を下げず、相手をリスペクトしながら上手に値段交渉。
こんな二言、三言で予想以上に安く買えたりもするんです。
そして意外と関係ない世間話で盛り上がったときの方が
破格で譲ってくれたりして、ほんと気まぐれな値段たち。
そう、なんといっても店主はおしゃべり好きのフランス人、
自分の商品をじっくり説明したくてたまらないのです。

「あなたはフランス語ができるから嬉しいわ」
買い付け中、何人かの店主から言われました。
商品の年代、店のコンセプト、フランス装飾の歴史、
交渉そっちのけで自分のプライベートまで(?!)語りだす人も。。。
彼らにとって商品を理解し納得した上で買ってもらうことは
高い値段で売ることよりも嬉しいことかもしれません。
だってそうでなければ、ネット販売や卸専門にして
もっと簡単に稼げる方法はいくらでもあるはず。

値段に限らずなにごとも交渉の国、フランス。
どうせだったら売り手も買い手もお互いに
"merci(ありがとう)"と言って別れたいものですよね。
そういう意味では、今回のご案内はお役に立てたと思います。

「あなたの連れてくるバイヤーだからこの値段なのよ。」
と言ってくれたヴィンテージショップのオーナーさん。
「次もきっと通訳コーディネートお願いしたいです」
隣には大荷物を抱えて満足げなお客さま。
こんな言葉を頂いて、2日間の疲れも飛んでいきました。
買い手も売り手も、その間にいる私も
みんなが"merci"と思った瞬間でした。

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写真は「今回はエッフェル塔も見れないかも…」といっていたお客さまへ。
好きな仕事に熱中していた彼女はこのエッフェル塔以上に輝いていました。



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# by satokoizm | 2012-09-04 12:00 | Guide ガイド

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